敷地の向かいには大きく育った桜並木の堤が続いている。
そんなステキな環境での住宅プロジェクトです。

三方が隣家に囲まれた今回の敷地、広がりのある開放性は前面の道路側のみ。
その道路側も三角形状なので少々使い勝手の悪い土地といえます。
桜並木の豊かな緑を生活のシーンに取り込みたい、というのは建て主さんの
一番の希望でした。今回のプランの目標は三方が隣家に囲まれた見通しの悪
い中で、三角形状部分を上手く使いこなしながら、一番の希望である桜並木
をどれだけ幅広く大きくこの家の中に取り込むことができるか、ということ
に尽きると思いました。

提案したプランは桜並木の堤の高さに合わせて、家族が集うLDKを2階とす
るのはもちろん、三角形の部分に半島のように突き出し、そこにLDKを配置
するというものです。隣家からの視線を気にせずに桜並木の景観を取り込む
ポイントは隣地からはみ出したこの三角部分を活用することです。不動産価
値の低いと思われた三角部分が実は桜並木を取り込むという主題の基では大
きな財産であったという、逆説的ですが、実にありがたい形状だった訳です。
2階にできる花見台のような桜並木を取り込んだLDK空間は家の中心として
家族の安らぎの日常を彩ってくれるハズ。完成が待ち遠しいです。

本計画では高断熱高気密の温熱性能のもと、1階、2階の床下もDCファン
を使って空調するという全館空調方式を採用しました。エネルギー効率の良
い暖房強化型のエアコンを熱源とした小エネルギー型の次世代環境住宅です。

2012年4月完成予定