鹿島町の家U
外観

2階に跳ね出しのオープンデッキのある家が富山市鹿島町に完成しました。
神通川花火大会の花火をそのデッキから楽しむことができるんですよ、と喜んでいただいているこのオープンデッキは鹿島町の家の大きな特徴です。

「オープンデッキのある白い家を作ってください」
今回の家づくりはこんな具体的な注文からはじまりました。
敷地は40坪、三方が隣地に囲まれ南面が道路に接しているありきたりな街なかの住宅地。
ご要望をお聞きしていくと住みたい家の明解なイメージをお持ちなのがよくわかりました。
2階にデッキをもったLDKがあること。LDKは全面開口されたオープンな空間であること。
そして軒が深いこと。建主さんのイメージにある明解な構想とデッキを持ったLDKをどう組み立ててプランをしていくのか。今回の設計はイメージされたファサードからの逆算といってもいい設計となりました。

跳ね出しのデッキは毎日使う機能的な場所ではなくコストを切り詰める為にはあきらめることも多い住宅のパーツですが、この家では決して大きくないLDKからの広がりや外部からの緩衝帯の役目も果たしており、結果としてこのデッキがあることによって室内に豊かな空間性が加わったと感じています。つまりオープンデッキがこの家のデザインの核心だったということですね。

完成後、夏と冬を過ごしてみた結果、断熱と気密を高めているこの家の空気循環による冷暖房システムが十分に機能して快適だとお聞きしました。ガラスの多い開放的な外観デザインでありながら夏の遮熱や中間期の風通しも配慮してあるパッシブデザインの家。
小さいながらも豊かな空間性のある質の高い住宅となりました。

  DATA
竣工:2016.8
構造:木造2階建て
施工:藤井工業株式会社
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